平成24年6月2日(土)、伝統宗教シンポジウム「宗教と環境」―自然との共生―を傍聴してまいりました。天台宗(比叡山延暦寺)・真言宗(総本山金剛峯寺)と神社神道(神社本庁)が主催したシンポジウムです。
まず、実行委員長である庄野光昭宗務総長の挨拶の後、東京大学名誉教授の山本良一先生により基調講演が行われました。
次にパネルディスカッション。東洋大学学長の竹村牧男先生がコーディネータを務め、山本良一先生・天台宗を代表して小林祖承先生(毘沙門堂門跡執事長)、高野山真言宗を代表して村上保壽先生(高野山真言宗教学部長)、神社界を代表して櫻井治男先生(皇學館大学教授)がパネラーを務められ、討論が交わされました。
最後に、天台座主 半田孝淳猊下、総本山金剛峯寺座主 松長有慶猊下、神社本庁 田中恆清総長により共同提言が発表され、閉会しました。
土曜の昼からという時間帯でしたが傍聴することができ、神道人として喜びを感じたとともに、使命感にかられた一日でありました。
以下共同提言
伝統宗教シンポジウム「宗教と環境 -自然との共生- 」
自然環境を守る共同提言
私たちは近代以降の科学技術の急速な革新により、物質的に恵まれた日常生活の実現が可能となりました。その結果、現在地球上の資源が枯渇に瀕し、大気汚染が進み、異常気象が常態化する事態を招きつつあります。
今後の生活に危機的な状況が差し迫っているにもかかわらず、私
たちは長年にわたり慣れ親しんだ、地球上の有限な資源の大量消費、
限りなき自然破壊をもたらす生活のあり方を、今日まで改めること
なく継続してきました。
このような状況下、昨年三月に東日本を襲った大地震、大津波、それに伴う原子力発電所の大事故を経験し、ようやく従来の生活態度を根本的に変革することなくして、私たちに希望ある未来は約束されないと気付き始めました。
日本人は古来、民族固有の神祇信仰によって、山川草木のいたる処に神々の存在を感じ、自然と共存して豊かな生活を得てまいりました。
私たち地球に住む人類や動植物が末永く、豊かに生きるためにも、天地万物に神仏が宿るという教えを共に持つ天台・真言の両宗と、神社神道とが、互いに宗派の垣根を越えて協力しあい、中核となってその輪を広げ、世界の人々に、あくなき自然破壊の阻止と、日常生活の根本的な見直しを、積極的に働きかけてまいりたいと決意し、このことを共同して提言いたします。
平成二十四年六月二日
天台座主 半田孝淳
高野山真言宗管長・総本山金剛峯寺座主 松長有慶
神社本庁総長・石清水八幡宮宮司 田中恆清
携帯で直接撮影するのは忍ばれましたのでスクリーンをぱしゃり
posted by 平岡ぐーじ at 22:46|
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